M-1で○○○を着ないコンビは優勝できない?出場メンバーの衣装を考察してみた
M-1グランプリ2020の決勝進出者のメンバーを見て、気になることがあった。
「アレ、意外と舞台衣装がノーネクタイのコンビが多くね?」
実は過去のM-1の優勝コンビのうち、ノーネクタイの優勝者は非常に少ない。だいたいのコンビが、片方だけ、もしくは2人ともネクタイを着用しているケースが多いが、今年は決勝に進出した9組のうち2組が、ノーネクタイの衣装で本番に臨もうとしている。
本番はあと1週間後だが、もしかすると舞台衣装の時点で、優勝の望みが絶たれているコンビがいてしまうのではないのか?今回は、M-1決勝と舞台衣装の謎を探ってみよう。
■○○○○を着用せずに優勝できたのはわずか2組だけ
M-1はこれまでに過去15回開催されているが、そのうちなんと13回で、いずれかのメンバーがネクタイ(もしくは蝶ネクタイ)を着用していたコンビが優勝している。ノーネクタイのコンビが優勝したのは、たったの2回だけだ。
しかも、その2回というのが、2002年のますだおかだと、2003年のフットボールアワー。そこから12大会連続で、ネクタイを着用したコンビが優勝しているのだ。
【歴代優勝者の衣装一覧】
◎2019 ミルクボーイ
・駒場孝…青ジャケット+Tシャツ
・内海崇…緑スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎2018 霜降り明星
・せいや…縦縞白スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・粗品…黒スーツ+黒ベスト+白Yシャツ※ネクタイあり
◎2017 とろサーモン
・久保田かずのぶ…青ジャケット+黒柄シャツ※蝶ネクタイあり
・村田秀亮…黒ジャケット+白Yシャツ
◎2016 銀シャリ
・鰻和弘…青スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・橋本直…青スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎2015 トレンディエンジェル
・斎藤司…白Yシャツ+サスペンダー
・たかし…黒スーツ+白Yシャツ※蝶ネクタイあり
◎2010 笑い飯
・西田…黒スーツ+白Yシャツ
・哲夫…黒スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎2009 パンクブーブー
・佐藤哲夫…黒スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・黒瀬純…黒スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎2008 NON STYLE
・石田明…白Yシャツ※ネクタイあり
・井上裕介…黒ジャケット+ボーダー柄Tシャツ
◎2007 サンドウィッチマン
・富澤たけし…黒スーツ+白Yシャツ
・伊達みきお…グレースーツ+黒Yシャツ※ネクタイあり
◎2006 チュートリアル
・徳井義実…黒スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・福田充徳…迷彩ジャケット+柄Tシャツ
◎2005 ブラックマヨネーズ
・吉田敬…縦縞黒スーツ+柄Yシャツ※ネクタイあり
・小杉竜一…黒ジャケット+柄Yシャツ
◎2004 アンタッチャブル
・山崎弘也…白Yシャツ※ネクタイあり
・柴田英嗣…茶ジャケット+白Yシャツ
△2003 フットボールアワー
・岩尾望…紺ジャケット+ボーダーシャツ
・後藤輝基…黒ジャケット+柄Yシャツ
△2002 ますだおかだ
・増田英彦…黒ジャケット+グレーTシャツ
・岡田圭右…茶ジャケット+白Tシャツ
◎2001 中川家
・剛…青スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・礼二…グレースーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
■というか、ネクタイを着用しないコンビが少ないだけでは?
なぜ、ネクタイ着用コンビがここまで優勝しているのか? カメラ映りが良くなるからか? 審査委員にビシッとした印象を与えるからなのか?
理由はいろいろ思い浮かぶが、確かなことが1つある。それは、そもそもノーネクタイの衣装で臨むコンビが少ないことだ。
2015年以降、決勝で2人もノーネクタイで臨んだコンビは以下の通り。見ていただければ分かるが、ノーネクタイ組は圧倒的に少数派。1大会に3組もいれば多いほうなのである。そりゃあ、優勝回数も少ないはずである。
○2015年(9組中3組)
・メイプル超合金
・馬鹿よ貴方は
・ハライチ
○2016年(9組中1組)
・さらば青春の光
(アキナは秋山が蝶ネクタイ、ハライチは岩井がネクタイ、澤部が蝶ネクタイ)
○2017年
・全組がネクタイ着用
○2018年(10組中1組)
・見取り図
○2019年(10組中3組)
・すゑひろがりず
・見取り図
・オズワルド
■2020年大会にもノーネクタイ組がいる!
それでは、来週行われる2020年大会はどうなるのか? すでに決勝進出が発表されている9組の予選における衣装を見ると、ネクタイあり組は7組、ノーネクタイ組は2組とになりそう。やはりノーネクタイは少数派だ。
【2回戦出場時の衣装】
◎ウエストランド
・河本太…赤スーツ+赤ベスト+白Yシャツ※蝶ネクタイあり
・井口浩之…ジャケット+Tシャツ
◎ニューヨーク
・嶋佐和也…茶スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
・屋敷裕政…紺スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎東京ホテイソン
・ショーゴ…黒ジャケット+Tシャツ
・たける…茶スーツ+白Yシャツ※ネクタイあり
◎オズワルド
・畠中悠…白Yシャツ+サスペンダー※ネクタイあり
・伊藤俊介…白Yシャツ+サスペンダー※ネクタイあり
◎錦鯉
・長谷川雅紀…白スーツ+黒Yシャツ※ネクタイあり
・渡辺隆…黒スーツ+水色Yシャツ※ネクタイあり
◎おいでやすこが
・こがけん…白地赤ラインYシャツ※ネクタイあり
・おいでやす小田…水色Yシャツ※ネクタイあり
◎マヂカルラブリー
・野田クリスタル…白Yシャツ※ネクタイあり
・村上…ピンクカーディガン+白Yシャツ※ネクタイあり
△アキナ
・山名文和…黒ジャケット+Tシャツ
・秋山賢太…青ジャケット+Tシャツ
△見取り図
・リリー…黒ジャケット+Tシャツ
・盛山晋太郎…黒ジャケット+柄Tシャツ
注目したいのが、去年はノーネクタイだったオズワルド。白Yシャツ+サスペンダーというシンプルな揃いの衣装はそのままに、今年は色違いのチェック柄のネクタイを着用するようになった(実はサスペンダーも新デザイン)。見た目がそこまで派手なコンビではないため(失礼)、もしかするとネクタイの有無という些細な変更点が、ウケに影響するかもしれない。
一方でアキナは、2016年出場時は秋山が蝶ネクタイを着用していたが、今年はノーネクタイに。見取り図は3大会連続でノーネクタイとなりそう。関西から出場の2組のみノーネクタイというのは、東西の“漫才観”の違いが顕れているようで面白い。
もちろん、上記の衣装は2回戦の時点のものであって、もしかすると、当日の衣装が予選と変わるかもしれない。とはいえ、首周りは発声に大きく関わる部分なので、決勝だけネクタイを着用する、もしくは外すというのは、逆に演者のリズムを崩してしまいそうだ。おそらくは予選の衣装のまま決勝に臨むことが予想される。
M-1はフォーマルな舞台である一方で、笑いというものは根本的にカジュアルなものでもある。崩しすぎた衣装は大舞台にふさわしくないが、堅く格式張った衣装では見ている側も笑いづらい。堅すぎず、緩すぎない、その絶妙なバランスが、優勝者には求められるのだ。
本日の結論:EXITはM-1で優勝したいなら、りんちゃんがスーツとネクタイを着た方がよかバイ